トップ «前の日記(2008-07-09) 最新 次の日記(2008-07-11)» 編集

jFD開発したりしなかったり日誌

2004|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2005|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2006|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2007|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2008|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2009|01|02|03|
2008年
7月
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

2008-07-10 [長年日記]

_ カッパドキア二日目

昨日はご機嫌でビールを飲んでしまい、せっかくのホテル泊なのにシャワーも浴びずに

寝てしまった。

朝目をさまして、とりあえず部屋のシャワーを浴びようとしたが、なんか水が

暖まらないんですが。

まったくの冷水というわけでもないが、冷水とぬるま湯の間程度でまったく暖まらない。

さらに部屋自体が洞窟でひんやりしてるんで、シャワーを浴びて体を拭いたら

寒くて仕方なくて、暖まるまで布団に潜り込んでしまった。

暖まってからキッチンへ。

YさんとIさんに挨拶。

Iさんはツアーに参加するそうだ。

僕とYさんは別のツアーへ。

ツアーのバスが迎えにきたんで、バタバタと出発。

まず、ギョレメの野外ミュージアムへ連れて行かれた。

ここは昔、修道士が集まって共同生活をしながらキリスト教の勉強をしていたという谷だ。

カッパドキア特有の変わった造形の岩を彫って教会や修道士の部屋、食堂なんかが作られている。

最初に入った洞窟の中は教会で、天井に鮮やかなキリスト画が描かれていた。

この絵はかなりの大昔に描かれたそうだが、いまだに鮮やかな色合いをしている。

なんでも全て天然素材の色素を使っていて、黄色ならサフラン、青ならインディゴといった素材を

使ってるそうだ。

さらにそこに鳩の卵の白身を塗ることでコーティングしてるので、大昔の絵なのに未だに

奇麗な色を残してるそうだ。

なるほどなあ。

谷の向こう側では鳩の卵を取るために、壁面に棚のように小さな穴が無数にあけられていて、

そこが鳩の巣箱のようになっていた。

なるほど、賢い。

別の洞窟もまた教会なのだが、今度はえらく素人臭い壁画が描かれていてビックリした。

なんでも、さっきの洞窟はプロの絵描きに描いてもらった物だが、こっちは修道士自身が自分で

描いた物だそうで、かなり素人臭い。

「えーと、俺の田舎の教会どうだったっけ、たしかこんな感じだよなー。

ここに線引くとブロックっぽくね?」

みたいな感じだったんだろうか、と想像するとなんか微笑ましい。

日本人のツアーが居たんで、ちょいと着いていってガイドの話を聞いていた。

観察していて気がついたが、ほとんど50過ぎのおばさんで、それに付き合わされたと思しき

旦那さんがたまにいるくらいで若い子はまったくいなかった。

ふーむ。

今回、僕がトルコに来る事に決めたのは、今まで東欧に行った事が全く無かったのと、

妹が昔行って、とても良かったと誉めていたからなのだが、この国は一般的な日本人旅行者には

あんまり人気はなさそうだ。

逆に年配の方には人気なのかもしれない。

日本人旅行者どうしで気楽に仲良くなれるんで、僕なんかは居心地が良いのだが。

続いて、キノコ岩を見に移動。

キノコ岩は名前の通り、キノコのような形をした岩だ。

地層が、下から硬い岩、柔らかい岩、硬い岩の順番に積み重なっていて、

それが浸食されて柔らかい岩の方が多く浸食されて、その上に浸食が少ない硬い岩が傘のような

形で乗ってるので、キノコ型になっている。

不思議な眺めだ。

一つ、見てて強烈に不安になるキノコ岩があった。

見ててドキドキしちゃうくらい一番上の岩が頼りなく乗っていて、震度2くらいの地震で

かんたんに落っこちてきそうな気がしてならない。

あと100年後にあの岩が残っているかで賭けてみたい。

ここも昔の人たちが住んでいて、キノコ岩に穴を開けて部屋を作っていたのだが、

脳を疑うようなおっかない部屋だった。

部屋の入り口が3メートルくらいの高さにあり、まずはしごを上り、さらに岩に開けられた

穴に手足を突っ込んで上らないと入れない。

これに入ると6畳くらいの部屋があるのだが、奥にハシゴがあり、天井に開けられた穴に入れる。

この穴は2.5メートルくらいの深さで、左右に穴があいていて、そこに手足を突っ込んで

上らないといけない。

古代トルコ人の身体能力ってどんだけ?

頑張ってのぼったら、下からお姉ちゃんが上ってきたので、

「写真とっていい?」

と聞いたらOKされたんでムービーを撮らせてもらった。

しばらく休憩して戻ったが、下りはもっと怖い。

足下がはっきり見えないんで、大変に怖い。

なんか体重が減りそうだ。

地面に降りてほっとした。

出発するまでぼんやりしてたが、見てると犬が多い。

イスタンブールは猫が多かったが、こっちは犬が、日向でだらりと寝てる。

せめて日陰に行けば涼しいのに。

この国で犬をやるのは大変そうだ。

ツアーのスタッフのおじさんはバックギャモンをしていた。

「お前もやってみるか?

ルール知ってる?」

と言われたんだが、実はルールを知ってると言ったら驚かれた。

昔オヤジに習ったんだ、と言ったら感心された。

残念ながら移動時間になってしまい、勝負は出来なかった。

その後ランチへ。

今日のレストランはかなりよかった。

外身はあんまりシャレてないが、内装はとても奇麗で、ご飯もうまかった。

Yさんも感心していた。

ただし、あいかわらずデザートは甘過ぎ。

隣の席の韓国人のお兄ちゃんに「すっごい甘いよ、食べてみなよ」と言って

食べさせたら、これは甘過ぎと困ってた。

本当に甘い。

土産屋でトルコ名物の目玉のキーホルダー購入。

続いて陶芸の工房の見学へ。

トルコの陶芸はなかなか有名なんだそうだ。

職人が器用にろくろで壷を作るデモをしてくれた。

粘土のかたまりが奇麗な涙滴型の壷になってくのは見事だった。

続いてツアー参加者の白人のお姉ちゃんにやらせていたが、最初に粘土のかたまりを

両手で上下にこすって長細くしてるのを見て、

「なんだかやらしい光景な気がする」

と思いデジカメの動画機能で撮影した僕は心が汚れてるんだと思う。

ろくろの後は実際に作られた陶器の販売店に案内された。

かなり広い部屋なのだが、よく見たら壁、天井が岩だ。

これ洞窟なのか。

すごいな。

陶器は奇麗だった。

形も良いんだけど、もの凄く手の込んだ塗装が施されている。

すごい。

でも何にも買わずに退散。

ツアーも最後にさしかかり、カッパドキア全体を見回せる谷へ。

ここはすごく眺めが良い。

しばらく感心しながら遥か彼方へ広がる頭の狂ったようなデザインの岩と、

そこに施された人の手による部屋や足場の跡を眺めていた。

すごいなあ、こんな所でこんな風に住むなんて、としばらく感心してたんだが、

なんかいつまで経っても出発しないのはなぜ?

Yさんと「どうしたんですかね?」と不思議がっていた。

ガイドさんも見当たらないし、いったいどうしたのか。

香港人の3人家族が居たのだが、土産物屋でかなりアレな感じのワンピースを

娘用に勧められていた。

黄色い生地に、ヒエログリフが書き込まれてるというちょっとどうかと思うデザインだった。

そもそもデザインがアレだけど、ここトルコでしょ?

ヒエログリフってエジプトじゃないのか?

しかも、どうやらこの服買っちゃったっぽい。

うーん・・・

かなり経ってからガイドさんと運転手が戻ってきて出発。

不思議な岩場に連れて行かれ、写真をパラパラ撮ってからホテルに戻された。

なんだかんだ言って楽しんだ。

よかったよ、ほんと。

_ 僕は今夜の高速バスでエフェスに移動するので、Yさん、Iさんとはお別れになる。

Iさんはまだ戻ってなくて、出来たら挨拶してから出発したかったが、戻ってなかった。

バスに乗る前に晩飯を済ませたくて、Yさんと近くのトルコピザ屋へ。

僕は晩飯用に一つと、テイクアウトで一つピザを頼み、Yさんも一つ晩飯に一つ

ピザを頼んだ。

トルコのピザは長細く、それが一切れサイズに切られて並んで出された。

食べてみたが、うまい。

粉がモチモチしてておいしい。

具のチーズも味が良い。

気に入った。

ツアーが一緒だった韓国人の兄さん達もやってきて、いっしょに食べた。

彼らは名物の、壷で蒸し焼きにした肉を食べていた。

小さい壷にパン生地で蓋をして蒸し焼きにするようで、その壷の口をナイフで叩き割って

出してくれた。

うまそう。

あれ頼めば良かった。

_ 食事後、バス停に移動。

Yさんが見送ってくれた。

バスは遅れてやってきて、乗り込んだ。

ギョレメにはエフェス行きのバスが来ておらず、ネブシェヒルまで乗せていってくれるので

そこで乗り換えるそうだ。

ネブシェヒルで乗り換えたが、東洋人の僕と同じくらいの年齢のお兄さんに声をかけられた。

韓国人でイギリスで勉強しているそうだ。

羨ましいなあ。

隣の席のトルコ人だが、ちょっと問題ありな人で困った。

がたいがでかく、しかも足を閉じて座れないらしくて足が僕の席にはみ出してくる。

さらに寝る時は横向きで眠りたいらしいんだが、体がでかいんで今度は尻がはみ出してくる。

勘弁してくれ。

よけようかと思ったが、だんだん腹が立ってきて、ここは俺の席だからよけてやるもんかと

心に誓って朝まで12時間、生暖かいトルコ人の体温にげんなりしながらバスに乗り続けた。

うう、なんて酷い。